どんな見え方?聞こえ方?高齢者の世界

高齢者を理解する姿勢を持つこと

それぞれのパーソナリティーを理解して

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相手を理解する姿勢を持つ

色や音などの感覚機能が衰えている高齢者とのコミュニケーションにおいて重要なのは、相手を理解する姿勢です。コミュニケーションと聞くとどうしても「相手にどのように伝えるか」という観点で考えてしまいますが、そうではなく「相手から発せられる情報からどのように汲み取るか」が重要です。理解する姿勢がないと、相手は「自分のことを理解してもらえない」と感じるようになり、心を開いてくれません。自分の気持ちを伝えるためにも、まずは相手を理解する姿勢を持ちましょう。
その上で、個々のパーソナリティーを理解する必要があります。高齢者はこれまでの人生で多くのことを経験しています。その経験は、個々で大きく異なります。現在の心理状態や行動は今までの経験に影響されているため、生活習慣や考え方が若い世代とは異なる部分があることを理解しておきましょう。高齢者だからと言って、すべての人が同じ考え方を持っているわけではないのです。

相手を理解する姿勢を持つ

受容と共感的理解

相手を理解するための重要な要素として挙げられるのが「受容」と「共感的理解」です。受容は、相手の立場や考え方を尊重した上で自分の価値観を評価せずに受け止めることです。高齢者はこれまでの様々な経験から独自の価値観を持っており、それが話を聞く側にとって共感できる内容だとは限りません。そのため、こちらの物差しで相手の価値観を評価せず、まずはそのまま聞くことが大切です。
また、共感的理解とは、相手に寄り添った態度で理解しようとする姿勢のことです。相手の立場を考慮して話を聞くことで受容的なコミュニケーションが可能となります。話の内容を少し聞いただけで判断するのではなく、きちんと最後まで聞いて相手を理解する姿勢を示すことが大切です。

適切な情報伝達方法

自分から情報を伝達する際には、なるべく正確に伝えられるように配慮し、適切なコミュニケーションを取れるように心がけましょう。そのためには、相手の状態に応じてコミュニケーション方法を変えていかなければなりません。高齢者は感覚機能や理解速度が低下しているため、その特徴を理解した上でコミュニケーションを図る必要があります。例えば、言葉だけで伝えようとするのではなく、表情や身振り手振りを駆使しながら伝えるようにします。ただし、先述の通り高齢者の状態は個々で異なるので、必ずしもそれが正しい方法とは限りません。相手にとって最も伝わりやすく、抵抗の少ない方法を考えましょう。