どんな見え方?聞こえ方?高齢者の世界

高齢者とコミュニケーションを取るコツ

豊かなコミュニケーションのために

豊かなコミュニケーションのために
  • 視力が低下している高齢者に対して「あれ」「それ」などの表現を使っても伝わりません。「○○さんの隣にある~」といった具体的な表現をしてください。また、視覚だけではなく、実際に使用する物に触ってもらうなどして他の感覚機能を刺激しながら伝える方法も効果的です。食事の際には「クロックポジション」と呼ばれる配膳方法を活用すると、料理の置いてある場所が伝わりやすいです。白内障を患っている場合の注意点も併せて紹介します。

  • 聴力は若いうちから徐々に低下していきます。著しく機能が低下すると、相手の言葉が聞き取れなくなってしまいます。しかし、何度も聞き返すのが申し訳ないと思い、分かったふりをしてやり過ごす高齢者も少なくありません。それが孤独感につながり、うつ病などを発症する危険性もあるため、早めの対処が必要です。聴覚が衰えた高齢者と会話をする際には、相手のことをしっかり見て、ゆっくりハッキリ発音するなどの工夫が必要です。

  • 感覚機能が低下している高齢者と接する際に大切なのは、相手を理解する姿勢です。コミュニケーションと聞くとどうしても「自分の気持ちを伝えること」だと捉えてしまいがちですが、まずは相手を受け入れることが重要です。高齢者はこれまでたくさんの経験をしてきた上で、独自の価値観を持っています。相手の立場を考慮して会話をしましょう。また、理解速度が遅くなっている高齢者に対しては身振り手振りを交えながら会話をするなどの工夫が必要です。

  • 高齢者にとって過ごしやすい環境を整えることで、不便さを取り除けるだけでなく、事故などのリスク軽減につながります。視覚が衰えて足元に不安のある高齢者の場合は、手すりの設置が効果的です。また、足元に余計な物を置かず、濡れている場所はすぐに拭くようにしましょう。聴覚が衰えている場合は、早めに補聴器の導入を検討してください。最近は高性能な補聴器が増えています。また、手元スピーカーなどのサポートグッズも効果的です。